母子ハウス契約書勉強会をオンライン開催しました!
2023年5月11日に母子ハウスの入居に関する契約書面の雛形を用いたオンライン勉強会を実施し、当NPOに加盟する母子ハウス運営事業者10名に参加していただきました。
背景には、これまで運営事業者の方から「契約書面をどう作成すればいい?」「入居者とトラブルになった時、法的にどう解決・回避できる?」というご相談を多くいただいたこと、また当NPOの顧問弁護士である渡邊未来子先生から「万一の際を想定し、双方の立場を守れる契約書面にしておくべきでは」というご指摘をいただいたことがあります。
勉強会の内容
渡邊先生からは以下の3書式について雛形の共有とともに、今回追加した項目や特に注意したい内容について説明していただきました。
・定期建物賃貸借契約
・定期建物賃貸借についての事前交付説明書面
・定期建物賃貸借についての終了予告通知書(期間1年以上の場合)
※当日紹介した書式の雛形については後日、会員の皆さまに共有するページを設ける予定です。
最初に先生から「定期借家契約」と「一時使用賃貸借契約」との違い、それぞれの契約形態がもつ効力について紹介。更新のないことをお互いに明確に合意できるようにするためには、契約書とともに別書面も必要です(定期建物賃貸借についての事前交付説明書面)。さらに、1年以上の契約の場合には事前通知が必要ですが、その場合にどのような通知内容が必要か、また通知書を発行しやすい管理方法などについてもアドバイスをいただきました(定期建物賃貸借についての終了予告通知書)。
参加した事業者の声
渡邊先生からの説明終了後に設けた質疑応答の時間には、多くの事業者から質問がありました。
現在、母子シェアハウスを開設する準備を進めている方からは「入居ルールなどを定めている場合に契約書にはどのように盛り込めばいいのか」、既にハウスを運営している方からは「短期で契約している方との終了通知の要不要やタイミング」について、「連帯保証人欄の要不要」についてなどの疑問が上がり、渡邊先生には一つひとつ丁寧にご回答いただきました。
また渡邊先生に対する質問だけではなく、「入居前の仮押さえについて皆さんどうしていますか?」という問いに対し、運営する事業者の皆さま同士でノウハウを共有する場面もありました。
最後には会員の皆さまから「いつもこの雛形を使用しています」「渡邊先生にいつも相談に乗っていただいて助かっています」という嬉しいお声もいただいた勉強会となりました。
これからへ向けて
さまざまなケースを想定して契約書面を定めておくことで、シングルマザーも運営事業者も、安心して入居・運営ができるようになると私たちは考えています。
今回の勉強会だけでなく、これからも母子の居住支援がより良いものになるよう、志をもって運営されている事業者の方がたに活用していただける知識・ノウハウの共有に努めてまいります。
当日紹介した書式の雛形については後日、会員の皆さまに共有するページを設けてご案内する予定なので、ぜひご活用いただければ幸いです。