母子ハウス全国会議第6回を開催しました!

2023年12月11日に難波市民学習センター(大阪市浪速区)で第6回目となる母子ハウス全国会議を開催しました。当日は、母子ハウスを運営する事業者さんを中心に、会場参加16名、オンラインでも8名の方に参加いただきました。

当日のプログラムは次の通りです。

1.開会の挨拶

2.全国ひとり親居住支援機構活動報告

3.関西事例報告1 株式会社Peace Festa

4.NPO顧問による「母子ハウス運営に向けて、入居者との関わり方」

  話者1:顧問精神保健福祉士 勝呂ちひろ

  話者2:顧問弁護士 渡辺未来子

5.関西事例報告2 宝塚NPOセンター

6.質疑応答

大阪での開催となったことにちなんで、関西で母子ハウスを運営する2事業者さんのお取り組みの紹介と今年度、活動を行う中で事業者さんから相談のあった「入居者とのかかわり方」について当NPOの顧問をお願いしている専門家のお二方に講演をしていただきました。その様子を紹介します。

今年度の活動内容を報告。見えてきた母子の動向も紹介

はじめに、当NPO代表の秋山より、今年度の活動内容について報告。「豊島区プロジェクト」や「TICC(トラウマインフォームドケア)研修会」、川根本町と開設した「マザーポート移住」、群馬県県営住宅の母子シェアハウス専用フロアの視察などについて紹介しました。

また、マザーポートの利用者データから、母子家庭の住まい探しの動向が見えてきました。就業形態と転居の動向を見ると「非正規雇用や無職のお母さんほど、遠方へ移住するケースが多い」ことなどがわかりました。

関西の母子ハウス事例紹介1:大阪市の「ideau」

株式会社Peace Festa 代表取締役社長の越野 健さんからは、大阪で展開する母子ハウス「ideau」の取り組みについて紹介してもらいました。

ideauは、各部屋に水回りがあり、キッズルームを完備。住まいの提供だけではなく、就業支援なども行う母子ハウスです。越野さんには、実際にこれまでの母子ハウスの運営を通じて「良かった例」や「しんどかった例」などリアルな話をしていただきながら、ideauの「人を育てる」取り組みについて詳しく聞くことができました。

関西の母子ハウス事例2:宝塚市の「シングルマザーハウスWith(ウィズ)」

NPO法人宝塚NPOセンターの理事長、中山光子さんからは、宝塚市で運営している「シングルマザーハウスWith」の取り組みについて聞きました。

シングルマザーハウスWithは、昭和レトロな外観の物件をリノベーションした水回り独立タイプのシェアハウス。2DKを中心とした部屋のほか、コミュニティルームを備え、食料支援や就業支援を行なっています。地域のシニアによる「With見守り隊」や学生による学習支援など、母子が豊かに暮らすための取り組み事例について学ぶことができました。

精神疾患を抱えながら暮らす母子にどう対応する?実際の支援を通じて

精神保健福祉士の勝呂ちひろ先生には、精神疾患のあるお母さんがひとり親だった場合に、お母さん自身に必要なケア、そしてその子どもに必要なことを実例を通して教えていただきました。「生きてるだけで丸もうけ」の気持ちでポジティブ思考にすること、過去の話にとらわれず、現在とこれからのことを話すこと。また、相手の話に巻き込まれないなどの対応のポイントを共有してもらいました。

知らないうちに「ハラスメント」にならないように注意!

弁護士の渡辺未来子先生からは「ハラスメント」の定義から、実際の対応、言葉の使い方などについてレクチャーいただきました。これは、今年度、NPOに寄せられた事業さんからの戸惑いの声から企画したもの。入居した母子家庭のお母さんに対応する際に引くべき線引きなど、日々悩みながら母子ハウスの運営をされている事業さんへのアドバイスとなりました。

全国会議を通じて、これからも母子家庭のお母さんと子どもたちがより良い環境で暮らせるよう、事業さんの皆さんに活用いただきたい知識やノウハウの共有を意識して企画しました。

当日のスライドや動画についても今後、会員の皆さんに共有できるよう準備をしています。ぜひご活用いただければ嬉しいです。

レポート一覧